補助金の併用の基本|国・都・区市町村は重ねられることが多い
補助金の併用とは、1つの設備や工事に対して、複数の団体の補助金を受け取ることです。東京都に住んでいる場合、国・東京都・お住まいの区市町村の3つの層があります。
当サイトで確認した区市町村の制度(71件)のうち、国との併用を「可」としているものが51件、都との併用を「可」としているものが50件ありました。残りの多くは、公式ページで併用の記載を確認できなかったものです。
つまり「国・都・区市町村の併用はできることが多いが、すべてではない」と考えるのが安全です。
- 国の補助どうし:同じ工事では原則として重複できない
- 国と都・区市町村:併用できる制度が多い
- 都と区市町村:併用できる制度が多い(一部に例外あり)
- 都の同じ種類の助成どうし:重複できない
補助金の併用ができないケース|国どうし・同じ種類の制度
いちばん注意したいのは、国の補助金どうしの重複です。国の住宅省エネ関連の事業では、同じ工事や同じ窓(開口部)に対して、国の別の補助を重ねて受けることはできません。
たとえば、窓の断熱は「先進的窓リノベ2026事業」と「みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)」のどちらかで申請します。給湯器も、給湯省エネ2026事業とみらいエコ住宅で同じ工事を重ねることはできません。
東京都の助成も、都や東京都環境公社の同じ種類の助成とは重複できません。また、都の「戸建住宅向け充電設備普及促進事業」は、国や他の自治体から同じ種類の助成を受けていないことが条件です。このように、どちらか一方しか選べない制度もあります。
補助金の併用で金額が減る3つの型|差し引き・合計上限・申請不可
併用はできても、ほかの補助の分だけ金額が調整されることがよくあります。調整のしかたは、大きく3つの型に分かれます。
区市町村の制度では、「合計が対象経費を超えない」型が24件、「ほかの補助を先に差し引く」型が13件でした(2026年9月時点・当サイト調べ)。
| 型 | しくみ | 制度の例 |
|---|---|---|
| 差し引き型 | 経費からほかの補助を引いた額が上限 | 都の蓄電池・V2H、墨田区 |
| 合計上限型 | 補助の合計が経費を超えた分を減額 | 都の窓・ドア、新宿区、江東区 |
| 申請不可型 | 合計が経費を超えると申請できない | 目黒区の設備助成 |
補助金の併用の計算例|蓄電池で都と区を組み合わせる
差し引き型の例として、東京都の蓄電池の助成を見てみます。都の蓄電池は、2026年9月時点で1kWhあたり10万円、上限120万円(最大)です。ただし「対象経費(税抜)から国・区市町村などの補助を引いた額」が上限になります。
ここでは、わかりやすくするために仮の数字で考えます。6kWhの蓄電池で、区の補助が6万円だったとします。都の計算上の額は6kWh×10万円=60万円です。
対象経費が税抜150万円なら、150万円−6万円=144万円が上限なので、都は60万円のままです。一方、対象経費が税抜60万円だった場合は、60万円−6万円=54万円が上限になり、都の額は54万円に下がります。
このように、費用が安いほど併用による調整がかかりやすくなります。実際の金額は制度・機器・契約内容により異なります。
補助金の併用と申請の順番|国・区市町村を先に確定させる
差し引き型や合計上限型の制度では、ほかの補助の金額が決まらないと計算ができません。そのため、申請の順番が大切です。
都の蓄電池の助成は、国・区市町村の補助を先に確定させ、都を最後に計算するしくみです。区市町村の側でも、国・都の交付決定通知書の写しを出すよう求める制度や、国・都の金額が確定してから申請する制度があります(千代田区の充電設備、小金井市など)。
- 契約前に申し込みが必要な制度がないか、最初に全部確認する
- ほかの補助の交付決定通知書などは、なくさず保管する
- 区市町村の締切が、国・都の確定より先に来ないか確認する
補助金の併用で見落としやすい条件|前提・択一・区の制度どうし
併用には、ほかにもいくつかの形があります。1つ目は「前提型」です。板橋区のエコポイントは、太陽光では都の助成を受けることが条件になっています。
2つ目は「択一型」です。目黒区のエコ住宅助成(新築)は、区の設備助成(太陽光・蓄電池・給湯器など)とどちらか一方しか選べません。
3つ目は、同じ区市町村の中の制度どうしです。文京区や荒川区のように、同じ設備や重なる経費に区の別の補助を重ねられない制度があります。区の中でも組み合わせの確認が必要です。
補助金の併用の注意点|先着・予算到達・契約前申請
併用を考えるときに、もっとも注意したいのは「受付が終わってしまうこと」です。多くの制度は先着順で、予算に達すると期限前でも受付が終わります。
2026年9月時点では、国のV2Hの補助は8月27日到着分で受付を終えました。区市町村でも、受付終了・一時停止の制度が複数あります。抽選や、申請額に応じて減らす按分(あんぶん)の制度もあります。
また、東京都の太陽光・蓄電池・窓などの助成は「契約前の事前申込」が必要です。先に契約すると対象外になるおそれがあります。併用するつもりなら、契約の前にすべての制度の申請タイミングを確認しましょう。